妥協を捨てなければ、最高の珈琲にはたどり着けない。
一 珈琲豆の仕入価格は無視。最高の物だけを入手する |
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粗悪な豆を使うと刺激の強い成分を含んでいて、
少しのそれがすべての味を台無しにする。
この簡単な事実を理解するには、
身をもって体験するしかなかった。
未熟な頃は、
安い豆でもうまい珈琲を煎ってみせる。
という功名心という誘惑に駆られ、
無謀な試みを繰り返した時期もあったが、
当然、私のこの試みは失敗に終わり、
嫌と言うほどの珈琲豆を廃棄してきた。
そのときの最高の豆を入手する。
この原理原則を守らない限り、
最高の珈琲の世界には近づくことはできない。 |
二 最高の珈琲豆の中の優良品だけを使う |
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ハンドピッキングという手作業の手間をかけてでも
最高の珈琲豆の中の優良品だけを使う方法を選んだ。
普通の焙煎士がかける時間の3倍以上の時間をかけて豆を選んでいる。
たとえ一粒であっても、私の提供する豆に、
不良品は紛れ込ませることは許されない。 |
三 じっくり火を通し、生焼けの状態を作らない |
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焙煎が浅く、生焼けにしたがる焙煎士もいる。
理由は簡単だ。
時間を惜しむのと、
生焼けの方が水分が残り、重さが保てるからだ。
逆に、じっくり豆の奥まで焙煎すると、水分が抜け、豆が軽くなる。
すると目方が減り、高く売れなくなる。
たとえるとわかりやすい。
100グラムの豆を浅く煎ると90グラムの製品が出来上がるが、
深く煎ると、80グラムしか出来上がらない。
価格の安さや利益を追求すると、必然的に生焼けが増えることになる。
生焼けであれば、酸味が増し、不要な刺激のために、
あなたの味わう珈琲から、本来のうまみが消えてなくなる。 |
四 究極の焙煎に集中できる環境をつくる |
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今の私は、一般的な焙煎士とは違い、
定期的にお届けする完全限定コース制によって、
あらかじめご予約いただいたお客様の分だけを
確実に確保すればいい。
それによって、私は、よりプレミアムな珈琲を
作り出すことだけに集中できる環境を手に入れた。
これは焙煎士の私にとって最高の贅沢であり、
ありがたい、天国のような世界である。 |
妥協を捨てるまで、
価格を抑える努力をしたこともあったが、
どうしても妥協につながることがわかり、諦めることにした。
ただ、不必要なほど豪華に見せるための梱包物を使うことを避けるなど、
できる範囲で、続けて味わっていただけるように努力はした。
今、それは正解だと思っている。
なぜなら、こうしてあなたにこの高級珈琲を届けることが
現実のこととなったからだ。
ただ、最後にもうひとつだけ、
どうしてもこだわりたいことがある。
それは・・・。